ポーランドで大きい背番号が流行ってる件

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ポーランドで大きい背番号が流行っている。今年のワールドカップをよく見ていた方はお気づきになったでしょうが、ポーランド代表には一瞬目を疑うような番号をつけた選手が数人いました。その中でよく試合に出ていたのは77番をつけていたMBのクウォスですが、彼以外にも同じくMBのフベルが99番をつけていたり、シムラが95番をつけていたりしていました。

この大きい背番号をつける流れは国内リーグにも来ています!そもそもポーランド1部リーグのプルスリーガでは2017/18シーズンまで背番号は1〜20からしか選べませんでしたが、昨シーズンから1〜99までの中から選択することが可能となりました。そんな中で大きい背番号の選手第一号となったのが古賀選手のチームメイトであるザビエルチェのセッターで77番をつけたマスニーでした。

https://www.polsatsport.pl/wiadomosc/2018-08-11/numer-77-siatkarz-z-zawiercia-pierwszy-wykorzystal-zmiane-przepisow/

77番のマスニー(Photo by PLPS)

しかし昨シーズンに21以上の大きい番号をつけていたのは6チーム7人のみでした。しかし今シーズンはその数がなんと11チーム31人にまで激増!空前の大きい番号ブームです(笑)。その中から何人か紹介すると、今年から国外リーグ進出を果たしたオルシュティン所属のイラン代表MBのセイエドは66番。ワールドカップでも活躍したスヴァウキ所属のアメリカ新鋭セッタートゥアニガは91番。またポーランド代表のフベルは所属チームスクラべウハトフでも99番をつけています(チームメイトのクウォスは77番じゃなくて6番(笑))。

66番のセイエド(Photo by PLPS)

91番のトゥアニガ(Photo by PLPS)

99番のフベル(Photo by PLPS)

こんな大きい番号の選手を探すのも今シーズンのプルスリーガの楽しみ方のひとつですね!!!(笑)

ポーランドリーグ2019/20開幕!

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ポーランド男子バレー1部リーグ、プルスリーガが今年も開幕しました。11月8日現在、全14チームが3から4試合を終えている状況です。その中でも現在無敗なのが3チーム、ザクサ・ケンジェジンコジレ、ワルシャワ、そしてザビエルチェです。

昨シーズンの覇者ザクサ。昨年のメンバーからポーランド代表のビエニエクとベルギー代表のデローという主軸2人の離脱がありましたが、そこにアメリカ代表のスミスと元イタリア代表のパロディが加わって常勝軍団は今年も健在です。また今年から監督が元セルビア代表セッターのグルビッチになりました。もちろんトニウッティとザトルスキの安定感抜群のリベロ・セッターラインは今シーズンも健在。

17/18シーズンの8位から昨年準優勝と一気に飛躍を遂げたワルシャワ。こちらも昨シーズン大活躍した大砲クレクが抜けましたが、ポーランド代表のノヴァコフスキ、フランス代表のティリなどの強力な補強を行いました。また監督に名将アナスタージを招聘。リーグに先駆けて行われたスーペルプハール(スーパーカップ)では惜しくもザクサに破れましたが、まだ今後どうなるかはわかりません。今年のワールドカップでも活躍したポーランド代表OHのクフォレク、そしてフランス代表の若手セッター・ブリザールの活躍がキーですね。

昨シーズン、プルスリーガ参戦2シーズン目にして4位と躍進したザビエルチェ。日本代表リベロの古賀が在席するチームです。今シーズンはなんとしても昨シーズン届かなかったメダルを手にしたいところ。今年も40歳のベテランセッター、マスニーの安定かつ攻撃的なトスワークから多彩な攻撃を展開します。その中でも高い決定率を残しているのがポルトガル代表OHのフェレイラです。またこのチームはファンの熱量がリーグのなかでもとても凄まじいです!そんなところにも注目ください笑。

こうしてみるとやはり上位に来るチームというのはセッターとリベロの安定感が不可欠であるなと感じますね。しかしまだリーグは始まったばかりですし、さらに近年のプルスリーガがどのチームも力が拮抗していて順位変動が激しい傾向にあるので今後どうなるかは誰にもわかりません!また昨シーズンは柳田もルビンに在籍してましたが今シーズンはドイツリーグに行ってしまいました。個人的にはまた大きくなってポーランドに戻ってきてほしいし、彼以外にもポーランドで活躍できる日本人バレーボーラーが出てくることを楽しみにしてます!!

試合結果、チームデータ等はこちら↓

PLUS LIGA(http://www.plusliga.pl/)

試合動画の配信(有料)はこちら↓

IPla.tv(https://www.ipla.tv/wideo/sport/PlusLiga/1731)

※どちらもポーランド語なので質問受け付けます。

2019年秋季大学バレー入替戦

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スパイクを放つ慶應大#1吉田

先日の土曜日に駒沢大学玉川キャンパスにて行われた関東大学リーグの1-2部入替戦を観戦してきました。大学リーグの生観戦はかなり久しぶりでした(約3年ぶり)。男女4試合行われていましたが、女子の試合には間に合わず3試合目の1セット途中から観戦。ギャラリー席から見てましたが椅子に座ると前のバスケットゴールが邪魔すぎてほぼ立ち見てました笑。

最初の試合は1部11位の専修大と2部2位の慶応大の試合。僕は高校時代から慶応大の吉田(3年、慶応高、吉田3兄弟三男)を地味に応援しているのでなんとしても1部復帰して4年生を迎えてほしいと思っていました。彼は本来セッターなんですが、チーム事情により今年の早慶戦からOHへコンバート。サーブ、スパイクも凄いですが、レセプション力も高く、秋季リーグではレシーブ賞を授賞してます。試合序盤は願いが届いたのか慶応ペース。特に慶応はブロックがよく機能しており専修に気持ちよく攻撃をさせていませんでした。また両オポジットの差も大きく、ほとんどのスパイクを決めていた慶応の富澤(4年、慶応高)に対し専修の久保(3年、都城工高)はミスが多かったです。しかし3セット以降は藤中(1年、宇部商高、藤中3兄弟三男)の巧みなサーブ(フォームが早稲田の宮浦にめっちゃ似てる!)、スパイクなどから専修が息を吹き返し、エース久保も当たりが出てきました。一方の慶応はエース富澤にミスが増えじめ、セッター谷(2年、徳島城東)のトスがアタッカー陣と合わずに攻めきれない場面も徐々に見られてきます。それから専修が3、4セットを連取、5セット目も序盤から専修が大量リードし、慶応も吉田、マルキ(4年、川越東高)の両OHで応戦しますが勢いそのまま専修が取って大逆転勝利。結果専修は1部残留、慶応も2部残留となりました。

慶応は対応が後手に回っていた印象。やはり来季は個人的にはレセプションもスパイクも良いOHの新1年生をどうにかして獲得してセッター吉田をもう一度見たい。誰かおらんのか。。。

男子の2試合目は1部12位の駒沢大と2部1位の法政大の試合。駒沢は秋季1部リーグ全敗、逆に法政は2部全勝だったのでふつーに法政が勝つかと思ったらそうではなかった。法政に知っている選手(西田(4年、鎮西高、春高準優勝したときのセッターですね))がいたので今回も2部のチームを応援していたのですが、気づいたら駒沢が1、2セット連取で残留に王手。しかし交代で入ったOP村岡(3年、県岐阜商高)のパワフルなバックアタックなどで勢いづいた法政が3、4セットを連取。僕は時間の関係でここまでで帰りました。さっきの試合と同じでこのまま法政逆転勝ちで1部昇格かなと思ってたら駒沢勝ってましたね。何が起きたんでしょう。まあでもこれだからバレーボールは面白い。この流れで今月26日からはじまる全日本インカレも見に行こうかしら。

○専修大 ー ●慶応大

3-2(19-25, 26-28, 25-20, 25-17, 15-9)

○駒沢大 ー ●法政大

3-2(25-19, 25-12, 22-25, 23-25, 15-8)

西田くん

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今回のワールドカップで最も輝きを放った選手のひとり、それが西田有志19歳である。ベストスコアラーランキング第3位(174得点)、ベストアタッカーランキング第5位(決定率55.38%)、そしてベストサーバーランキングでは他を寄せつけずぶっちぎりの1位(1セット平均0.69本)の堂々たる活躍で大会ベストオポジットにも選出された。身長186cmとバレーボール選手としてはかなり小柄な彼がこの短期間にここまでの選手になろうとはいったい誰が予想しただろうか。彼がバレー界で一躍有名になったのは現役高校生内定選手だったVプレミアリーグ2017/18での大活躍からであろうが、僕は実はその前から彼を知っていた。

それは2017年2月。当時大阪にいた僕は全日本ジュニアオールスタードリームマッチを見に来ていた。この大会は毎年春高バレー後に高校2年生以下の有望選手を集めて行われているもので、その時ひときわ輝きを放っていた選手がいた。それが海星高校2年生(当時)の西田くんだった。

スパイクを放つ西田くん

このときからオポジットに入っていたわけだが、しなやかなフォームから繰り出されるスパイクとサーブは他を圧倒していて「こいつはヤベえ」と思った。周りの選手たちも有望な子たちばかりだっただろうが、西田くんだけレベルが違った。少なくとも僕にはそう見えた。もう彼しか目に入らなかった。こいつは近々来ると思った。そしてその予想は見事に的中し、西田くんは同年3月から行われたアジアユース選手権の代表に選ばれたわけだが、同大会ではオポジットの控えに甘んじた。当時、1つ上の学年の早生まれ組に同じ左利きで当時鎮西高校3年(現早稲田大3年)の宮浦健人がおり、上層部の評価では彼のほうが上だった。僕は西田くんがレシーブも得意であることも知っていたのでアウトサイドででも出してくれればいいのにと思っていたが、アウトサイドのスタメンも東福岡の佐伯(現筑波大2年)と洛南の大塚(現早稲田大1年)という同級生と下級生に取られていた(しかも佐伯は先述のドリームマッチで見かけたときは本当にダメダメだったのでなおさら納得いっていなかった笑)。その大会で日本ユース代表は優勝して同年8月の世界ユース出場を獲得したので、なんとか世界ユースでは西田くんに頑張ってほしいと思っていたが、世界ユースではベンチからも外されてしまった。さらにその後の春高三重県予選で海星高校は敗退し、インターハイからの連続での全国大会出場はならなかった。本人としてはとても悔しかったと思う。しかしこれらの出来事が若き侍の闘志に火をつけ、彼を大学進学ではなく高卒Vリーガーという挑戦的な選択に至らせた。そして同期が春高バレーで活躍しているさなか、ひとりVリーグ、ジェイテクトスティングスで爆発した。その活躍が評価され、また長年代表オポジットとして君臨していた清水を怪我で欠いていたこともあり、ユース代表にも落選した選手は一気にシニア代表の座を掴んだ。その後の代表での活躍は皆さんの知るところである。

でも本当に実力はもちろん非常に「もっている」人物だと思う。ユースでもスタメンだったら、春高に行ってたら、大学進学を選んでいたら、ジェイテクトじゃなかったら、清水が怪我していなかったら、恐らくどれかひとつでも違っていたら今の西田くんはいなかっただろう。

要は前から目をつけていた選手がめちゃくちゃすごくなって嬉しいということです笑。これからも頑張れ西田くん!!

ワールドカップバレー2019男子大会

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こんなに見ていて楽しい、ワクワクしたワールドカップ バレーは初めてだった。

従来であればランキング上位の海外勢同士の試合は見応えあるけど日本戦は…、という感じだったのだが、今回はなんのその、強いではないか日本!カッコいいではないか日本!と大変興奮させていただいた。初戦のイタリアを、ザイツェフ、ユアントレーナなどの主力を欠いているとはいえストレートで完勝すると、ポーランド、アメリカには敗れたものの福岡ラウンドを3勝2敗で折り返し、その後ロシア、イランという強豪もそれぞれ3-1で撃破。そして圧巻はブラジル戦。1-3で敗れはしたものの、第3セットを除き常に手に汗握る展開が続いた。ほとんどベストメンバーのブラジル相手に、あれだけ「普通に」試合している姿が見られるとは思っていなかった。最終カナダ戦の西田くんのサービスエース祭りなんて凄すぎて空いた口がふさがらなかった。とにかく最高にカッコいい男子バレー日本代表の姿がそこにはあった。

サーブの強化、そしてミドルブロッカーの成長が今回の躍進の大きな要因であることは間違いないだろう。特に個人的にはミドルの成長がとても嬉しかった。小野寺のしつこいリードブロック、高橋の高いクイック。たまらんかった。大会前までは東京オリンピックなんてどうせ予選敗退だろ、パリオリンピックがんばろなんて思っていたが、ベスト8、あわよくばベスト4?!今後の更なる成長次第ではそんな夢も見させてくれるようなチームになっていた。

がんばれニッポン。

春の高校バレー2019男子決勝戦レビュー

今年も春高バレーが終わった。

女子は大阪・金蘭会の2連覇、男子は京都・洛南の14年ぶり2回目の優勝でそれぞれ幕を閉じた。

今回はその男子決勝戦、洛南高校(京都)と清風高校(大阪)の試合をレビューしていきたい。

スタメン(セッターからサーブ順)

洛南:5S山本、4OH垂水、9MB溝井、6OP宮野、1OH大塚、2MB中島(7L内藤)

清風:5S藤原、3OH瀧川、1MB西川、4OP工藤、2OH高橋、6MB山本(12L古藤)

第1セット

洛南はS4、清風はS1で洛南サーブからスタート。中盤までは両チームとも譲らない競った展開。洛南は序盤は大塚、そして中盤辺りから垂水と両エースにかなりボールを集めていたのに対し、清風はこれまで通り序盤からトスを散らして点を取っていった。しかしこの試合洛南はジャンプフローターサーブで徹底的に高橋を狙ってプレッシャーを与え、気持ちよく攻撃参加できないようにしていた。一方で洛南の両エースにはほとんどサーブレシーブに参加しておらず、ゆえに清風は洛南以上にサーブで攻めなければならなかったのだが、そこまで洛南の宮野・内藤を崩すことができなかった(宮野はOHだかローテーション順からもわかるように守備に徹していた)。また清風はエース西川の次にポイントゲッターとなる工藤が不調で大事な場面でミスが目立った。このような要因から中盤以降徐々に洛南が清風を引き離し、最後は大塚が決めきって25-22で洛南がセットを取る。

第2セット

洛南はS5、清風はS1で清風サーブスタート。このセットは序盤で勝負が決まった。洛南がサイドアウトを取って3-1してから大塚のジャンプフローターで引き続き高橋を徹底して狙い崩し、気づけば一気に9連続得点で11-1。このとき清風は西川と工藤がフロントロー(前衛)におり、本来であれば攻撃力の高いローテであったが、工藤は当たらず、高橋はパスからで万全ではなく、またパスが返って西川が使えても肝心の藤原のトスが低くなり西川が決めきれなかった。最後はなんとか工藤が決めきったが時すでに遅し。その後も洛南が両エースの盤石な攻撃、特に垂水が止まらず25-13の大差でこのセットも取る。

第3セット

洛南S4、清風S1で洛南サーブスタート。このセットから洛南セッター山本は配給を変え、クイックを多様し始める。清風はそれに翻弄されながらも西川を中心に全員で食らいつき競った展開を見せていた。このセット中には清風が流れを掴みかけた場面が2度あった。まずは垂水のスパイクミスで15-13となった場面。垂水はこの2プレー前にもスパイクミスをしており崩れそうな感じであった(現にその後打ったバックアタックもミスを恐れてか置きにいっていた)。ここで清風がサーブで崩すし、垂水のハイボールを仕留めることができていればよかったのだが、サーブレシーブがきれいに返り溝井にクイックを決められる。そして2度目にしてこのセット最大のポイントとなったのが、清風がなんとか終盤3連続得点で追い上げて22-21と洛南に1点差に迫った場面。ラリーの中、清風にフリーボールが返り同点のチャンス。しかしセッターのミスかセットとお見合いしてしまい攻撃に繋がらず、逆にカウンターを食らって23-21としてしまった。もうこれで勝負は決まった。24点目を大塚が確実に決め、最後は高橋がブロックに捕まりゲームセット。25-21、セットカウント3-0で洛南の優勝が決まった。洛南は今大会失セットゼロの完全優勝となった。

試合全体を通してもやはり先述のサーブの差が大きかったと思う。また両チームのエース、大塚と西川はそれぞれの役割を果たせていたが、それに次ぐ得点源である垂水と工藤の差が大きく出た試合でもあった。垂水が第3セット中盤まで絶好調だったのに対し、工藤は得点は少なくはなかったが失点も多く、最後まで調子を掴めずにいた。別の言い方をすれば、垂水を上手く乗せた山本と最後まで工藤のギアを上げれなかった藤原の両セッターの差でもあったのかもしれない。

しかし、両チームともゲスブロックがほとんどなくリードブロックでしつこくプレッシャーをかけていたし、攻撃力だけでなく守備力も非常に高かった。また選手ひとりひとりが役割分担ができておりバレーIQが高いように見受けられた。間違いなく高校生としては両チームともとても完成度の高いチームであった。

また個人的に洛南の大塚、山本、そして清風の西川は将来がとても楽しみな選手で、パリ五輪あたりでの活躍を期待している。

最後に我が偉大なる先輩の母校、洛南高校、春高優勝おめでとう!!!!!

プルスリーガ2018/19

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ポーランド男子プロバレーボールのトップリーグであるプルスリーガ(Plus Liga)2018/19シーズンが開幕しておよそ2ヶ月が経過した。全14チームで争われる今シーズンは、現在各チームそれぞれ11試合程度をすでに終え、折返しを迎えようとしているところだ。リーグ優勝するためにはレギュラーシーズンで6位以内に入りファイナル6に進む必要がある。

また今シーズンは日本人選手の活躍も熱い。昨シーズンに引き続きに活躍するリベロ古賀太一郎に加え、今シーズンから新たに全日本男子キャプテンの柳田将洋がプルスリーガのチームへと移籍を果たしたからだ。自分は2011/12シーズンからプルスリーガをチェックしていて「いつか日本人選手をこの舞台でみたい」とずっと思っていたので、この状況はとても感慨深いものがある。この勢いでもっと増えてほしい。

さて現在の順位であるが、12月14日時点で一昨年の覇者、昨年準優勝のザクサ・ケンジェジンコジレが唯一無敗で首位を独走している。セッターのバンジャマン・トニウッティ(仏)やリベロのパベウ・ザトルスキ(波*)など昨シーズンからの実力あるメンバーに、今シーズンから加入したウィングスパイカーのアレクサンダル・シリフカ(波)やオポジットのウーカシュ・カチュマレク(波)などがうまく噛み合い抜群の安定感を誇っている。攻撃ではバランスの良いセット配分で的を絞らせず誰でも点を取れる一方、守備も非常に堅い。

しかし2位以下については近年稀にみる混戦の模様を呈している。勝ち点が拮抗しており、現時点では実力等を考えると9位くらいまでのチームはファイナル6に残る可能性が十分ある。その中でも今シーズン特に勢いがあるのはオニコ・ワルシャワとツェルラド・チャル二・ラドムの2チーム。逆に昨シーズンの覇者、スクラ・ベウハトフは今ひとつ精彩を欠いている。

日本人選手の所属チームを見てみると、古賀太一郎のアルロン・ヴィルトゥ・ヴァルタ・ザビエルチェはスタッフと選手の補強により昨シーズンから躍進し、7勝4敗で現在全体の5位につけている。これに対し、柳田将洋を擁するクプルム・ルビンは苦戦を強いられており、3勝9敗で12位に留まっている。このままでは降格が危ぶまれる順位である。

*ポーランドは漢字で波蘭と書く

ムセルスキーがVリーグにやってくる!

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海外メディアでは早くから報道されていましたが、先日サントリーサンバーズから正式にドミトリー・ムセルスキー選手の獲得が発表されました。

https://www.suntory.co.jp/culture-sports/sunbirds/news/detail/20180820.html

ムセルスキーといえば、バレーボールファンにはお馴染みのロシア代表ミドルブロッカー。世界最高のミドルのひとりとも言われています。身長218cm、最高到達点375cmと現役バレーボール選手の中で最も高さがある選手のひとりで、その高さから繰り出されるスパイク、サーブ、ブロックは存在感抜群です。その実力からミドルブロッカーというポジションながら数多くの試合でベストスコアラーとなっています。また日本人の大型選手にはやや不器用な人が多いですか、ムセルスキーはその大きさからは想像できない器用さも兼ね備えており、パスやセットも卒なくこなすことができます。

ですからVリーグでも、久光のアキンラデウォ以上に無双すること間違いないでしょう(笑)

そこで気になるのはポジションです。彼の本職はミドルブロッカーですが、ロシア代表ではオポジットに入ることもありました。ロンドン五輪決勝で途中からミドルのムセルスキーをオポに、オポのミハイロフをサイドにポジションチェンジして大逆転金メダルを収めた試合は有名ですね。所属するサントリーはずっと外国人選手をオポジットとして起用してきたので、今回もそうなる可能性は高いです。ただ彼のコート中央でのクイックやブロックが見られないのは非常にもったいない。おそらくクイックなんて日本人ミドルのブロックだとまず止められないでしょう。そこで僕の希望的観測としては、前衛はミドルで使い、後衛でリベロと変わらずオポジットとしてバックアタックを打つというような起用法が採用されてたら面白いんじゃないかなと思います。実際にムセルスキーは前所属チームでも一時期このような起用法をされていましたし、隣の韓国Vリーグのチームにいたときのキューバのシモンも似たような形で使われてそのままリーグ制覇をしたので、一番効果的なんじゃないかと勝手に思っています。

とにかくVリーグでムセルスキーのプレーが見られるのは楽しみですし、これをいい刺激にして日本人ミドルブロッカーもがんばってほしいと思います!!!

柳田将洋選手所属CUPRUM LUBIN(クプルム・ルビン)の会場への行き方を紹介します。

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先日、全日本キャプテン柳田将洋選手のポーランド・プルスリーガのルビンへの移籍が正式に発表されました。ポーランドリーグの日本人選手としてはザビエルチェの古賀太一郎選手に続いて2人目となります。そこで今回はチームの紹介とそのルビンの会場への行き方について書きたいと思います。

CUPRUM LUBIN

クプルム・ルビンはポーランド南西部のドルヌィシロンスク県ルビン市にあるクラブチームです。

チームは2001年に設立され、2014/2015シーズンよりポーランドの1部リーグであるプルスリーガに参加しています。2017/2018シーズンは16チーム中7位でずっと中の上の成績が続いています。

過去には、以前ブログで紹介したエストニア代表のタット(現Izmir)やポーランド代表オポジットのカチュマレク(ZAKSA)、同じく代表セッターのウォマチ(SKRA)、ドイツ代表ミドルのベーメ(Pireus)などが所属していました。来シーズンからはメンバーがガラッと変わり、チーム力は未知数ですが、個人的には柳田選手のほか、ポーランドの若干二十歳の新星オポジット・ジオブロフスキとエストニアのアラフォーいぶし銀セッター・トーバルにも注目してます。

チームホームページ(ポーランド語):http://ks.cuprum.pl

ルビン市の位置

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似た名前でルブリン(Lublin)という市がポーランド東部にありますが、まったく別の街なので気を付けましょう。

ルビンの体育館への行き方

①ヴロツワフ(Wrocław)へ行く

ルビンには鉄道が通っていないので、公共交通機関を使用した場合にはバスで向かうことになります。近隣都市であるヴロツワフから比較的頻繁にバスが出ているので、まずはここを目指しましょう。

日本から向かわれる場合には空路を利用するのが一番です。ワルシャワもしくはフランクフルトからヴロツワフへ向かう便が比較的多く出ているのでこのどちらかの空港で乗り換えると便利です。空港から駅とバスターミナルのある中心部までは、30分に1本の頻度でシャトルバスが出ています。所要時間30分、料金10ズロチ(約300円)で料金は乗車時にドライバーに直接払います(カード払い可)。このシャトルバスは空港→ 中心街→ 駅・バスターミナルというルートを通るので終点まで降りないようにしてください。これとは別に路線バスも通っていますが慣れないうちは利用しないほうがよいでしょう。またタクシーも日本と比べると安価なのでバスの代わりに利用してもいいかもしれません。

その他空港に関する情報はホームページをご確認ください(英語・ポーランド語のみ)。http://airport.wroclaw.pl/en/

②ヴロツワフのバスターミナルからバスに乗る

             ヴロツワフバスターミナル前

バスターミナル(Wrocław Dworzec Autobusowy)は鉄道駅(Wroclaw Glowny)に隣接しています。時刻表はウェブサイト(https://en.e-podroznik.pl、英語・ポーランド語他)で確認できます。Wroclaw発Lubin着で検索すると複数の検索結果が出てくると思いますが、出発がWROCLAW D.A.となっているものがバスターミナル発のバスとなりますのでそのどれかに乗りましょう。Wrocław, ul. Joannitów/Dawidaからもバスは出ていますがこちらはおすすめはしません(理由は諸所ありますが割愛)。バスターミナルに着いたらまず掲示板等で乗り場を確認しましょう。ルビンに停まるバスは終点がほとんどZielona Gora(ジェロナグラ)かGrodzisk Wielkopolski(グロジスクヴィエルコポルスキ)かのどちらかなのでネットで調べた時間と同じで終点がこの2つのどちらかならだいたいあっていると思います。運賃は運転手さんに直接支払います。“Do Lubina”(ドルビーナ、意味:ルビンまで)と伝えると運転手さんが値段を言ってくれるのでそれを支払います。支払い方法は現金のみと思っていたほうがいいでしょう。運転手さんの近くの席に座ると降りるときに合図を送ってもらいやすいので比較的安心です。

③ルビンのバスターミナルから体育館へ向かう

Cuprum Lubinの体育館(Hala spectacle-RCS Sport)へはバスターミナルから歩いて行けます。所要時間は20分程度です。

柳田選手のポーランドへの移籍をきっかけに、少しでも多くの日本人の方々がポーランドやポーランドのバレーボールに興味を持っていただけたら嬉しいです!

なお実際に現地へ行かれる際には、今回紹介したものから多少アクセス方法が変更になっている場合もございますので、できる限り最新の情報を入手するようにしてください。ご相談はいつでも承ります。